前立腺肥大について調べてみた(原因、治療、医薬品、サプリメント)

前立腺肥大とは

前立腺肥大は60歳の男性では50%以上に、85歳までに約90%に認められ、
その1/4に臨床症状が出現するといわれている。
男性のほとんどが一生のうちに経験するトラブル。

男性ホルモンの一つに、「テストステロン」がある。
もう一つ、大切なホルモンとして、テストステロンが酵素によって活性化された
活性型男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」がある。

男性の生殖器官の発達を促し、その機能を正しく維持するためには、テストステ
ロンだけでなく、この活性型の「ジヒドロテストステロン」が不可欠。

しかし、多くの男性の前立腺は、中高年に入ると急に肥大をはじめる。
その理由は、未だにはっきりとわかっていない。

肥大を始めた前立腺にはこの活性型男性ホルモンは刺激が強すぎるため、前立腺
を一層肥大、硬化させてしまう。

それまで、男性にとって必要不可欠であった活性型男性ホルモンは、
一転、“悪玉男性ホルモン”になってしまう。

◆症状は、排尿困難、頻尿、尿失禁、尿閉(尿が出なくなる)


前立腺に関する検査値(PSA検査)

PSA検査は、前立腺がんを診断するだけでなく、治療経過観察中の再燃・再発を見つ
ける上でとても有効な検査。
PSAは前立腺がんの腫瘍マーカー(がんの発現に関連を持つと考えられている生体内
のタンパク質)としても重要な働きをする。

PSAとは

PSAとは、英語のprostatespecificantigen=前立腺特異抗原の略で、主として前
立腺から精液中に分泌されるタンパク質の一種。

射精後の精液の液状化に関係し、受精に欠かせないものといわれている。
一部は血液の中にも流れ出ていて、健康な人のPSAはおおよそ2ng/mL以下。

加齢にともなう前立腺の肥大や炎症により増えることがあり、一般的に4ng/mL以下が
標準値とされている。
しかし、前立腺に異常があると血液中に大量に放出されて濃度が高くなる。

他の臓器の異常では数値は変わらず、前立腺の異常にのみ反応することから、前立腺
に特異的な抗原といわれている。
前立腺がんでも数値に反応が出やすいことから、前立腺がんの腫瘍マーカーとして使
われるようになった。

PSA値が上がる他の要因

PSA値は前立腺がんの可能性をチェックする上でかなり精度の高いマーカーだが、あ
くまでも「前立腺がんの疑いがある」という指標であり、それだけで「がんである」
と断定することはできない。
PSAは次の場合にも高くなることがある。

・前立腺肥大症
前立腺に良性の腫瘍ができ、前立腺が大きくなる病気。
大きくなるにしたがってPSA値も上昇します。

・前立腺の炎症
細菌などに感染して、前立腺に急性・慢性の炎症が起きている場合も、PSA値は上が
る。

・外部からの刺激
針生検や手術などの治療で前立腺が傷つけられた時、尿道に器具を入れて検査をした
り導尿をしたりした時、直腸診などで前立腺に力を加えた時など、外からの刺激を受
けた時も、PSA値は上がる。

・射精
射精をしたときも、PSA値は上がることがある。

PSA値と前立腺がんが見つかる確率

PSA値は、高くなればなるほど前立腺がんの見つかる確率が高くなる。
また、前立腺がんが進行している度合いも高くなる。

前立腺がんが見つかる確率は、表のように考えられている。
・PSA値と前立腺がんが見つかる確率の表

4~10ng/mL未満は前立腺がんが発見される確率は25~30%だが、「まだ前立腺がんで
はない」とするものではなく、危険域にあると考えるべき。
もし前立腺がんが存在するならば、10ng/mL未満のうちに治療を開始した方が完治す
る可能性が高くなります。

※確定診断には、顕微鏡でがん細胞の有無を調べるため、細胞をとる生検を必要。
生検を行うかどうかを医師と相談。

生検を実施するか否かを決定するにあたって、参考にされる指標として次のものがあ
る。

・PSA密度(PSAD)
PSA値を前立腺の容積で割ったもの。
PSA密度が低い場合、前立腺がんではなく前立腺肥大症の可能性を考える場合がある。

・F/T比
PSAの中には、タンパク質と結合したPSAと、結合していない遊離PSAがある。。
F/T比とは、総PSAにある遊離PSAの割合を示すもの。
F/T比が低いほど前立腺がんの可能性が高いと考えられる。

・PSA速度
PSAを時間を空けて測定したときの値の上昇の速さ。
検査値が速く上昇している場合はがんの可能性が高いと考えられる。

・年齢階層別PSA
PSA値は加齢によって上昇する。
年齢階層別PSAとは、年齢毎にPSAの基準値を定めたもの。
50~64歳は3.0ng/mL以下、65~69歳では3.5ng/mL以下、70歳以上は4.0ng/mL以下が正
常値として推奨されている。

生検を行った結果、がんが見つからなかった場合でも、その後は定期的にPSA検査を
行って経過を見る必要がある。
PSA値は、1回の数値ではなく、連続的な変化としてとらえることが大切。

排尿困難、頻尿、尿失禁、尿閉(尿が出なくなる)、前立腺肥大に関する医薬品

排尿筋の別名は膀胱平滑筋である。平滑筋なので、アセチルコリン(ACh)によって排
尿筋は収縮する。

排出障害治療薬

排尿障害の患者は膀胱の収縮が困難になっているため、排尿障害が起こる。
そこで、尿を外に出す機能が弱くなっている排出障害の患者に対し、膀胱を縮させる
ことで排尿を促進させる。
膀胱が小さく縮まってしまうということは、排尿筋(膀胱平滑筋)が収縮するという
ことである。
排出障害治療薬の場合、排尿筋を収縮させるためにM受容体刺激薬が用いられる。

・ベタネコール(商品名:ベサコリン)
・ネオスチグミン(商品名:ワゴスチグミン)
・ジスチグミン(商品名:ウブレチド)

頻尿治療薬

これら排出障害治療薬に対し、頻尿では「おしっこが近い」、「夜に排尿のため、何
回も目が覚める」などの症状が表れる。
これは、膀胱の筋肉がきつくなっているため、おしっこを我慢できないことで起こる。
通常、尿が溜まるにつれて膀胱の筋肉も広がっていく。
しかし、頻尿患者では膀胱の筋肉が広がりにくいため何回も排尿のためにトイレに行
きたがる。
頻尿治療薬は平滑筋収縮の逆の作用をする薬物を選べばよい。
つまり、抗コリン薬やβ2受容体刺激薬が用いられる。

・プロピベリン(抗コリン薬、商品名:バップフォー)
・オキシブチニン(抗コリン薬、商品名:ポラキス)
・クレンブテロール(β2受容体刺激薬、商品名:スピロペント)

前立腺肥大症治療薬

◆α受容体遮断薬、抗アンドロゲン薬

前立腺肥大症の治療薬にはα1受容体遮断薬と抗アンドロゲン薬がある。
前立腺にはα1A受容体やα1D受容体が存在しており、前立腺肥大症にはα1A受容体・
α1D受容体を特異的に遮断する薬物を使用する。
また、前立腺肥大にはアンドロゲン(男性ホルモン)も関与しているため、アンドロゲ
ンを遮断することによっても前立腺肥大症を治療する。
α受容体を遮断すると、尿道が拡張する。
また、アンドロゲンを遮断することによって前立腺自体を小さくする。
これによって、前立腺肥大症を治療する。

・タムスロシン(α1A受容体阻害薬、商品名:ハルナール)
・シロドシン(α1A受容体阻害薬、商品名:ユリーフ)
・ナフトピジル(α1D受容体阻害薬、商品名:フリバス、アビショット)
・クロルマジノン(抗アンドロゲン薬:商品名:プロスタール)

◆5α還元酵素阻害薬

男性ホルモンのひとつであるテストステロンであるが、このテストステロンをより活
性の高いジヒドロテストステロンに変換する酵素が存在する。
この酵素を5α還元酵素と呼び、この酵素を阻害することで前立腺肥大症を治療する
ことが出来る。
・デュタステリド(5α還元酵素阻害薬、商品名:アボルブ)

◆植物エキス製剤

植物エキス製剤であれば、エビプロスタットが治療に使用されている。
オオウメガサソウ、ハコヤナギ、セイヨウオキナグサ、スギナなどに由来するエキス
成分が含まれている。
昔から前立腺肥大症の治療に繁用されてきた。

前立腺肥大で用いる漢方薬


前立腺肥大は加齢によって起こるので、衰えた体力や気力を補うために、血の巡りをよくする駆お血剤や、気(一種の生命エネルギー)の流れを整える気剤も必要。

  • 八味丸(はちみがん)
    この3つがバランスよく配合されている。
    前立腺肥大に用いる漢方薬として最適で、実際に高い治療効果を上げている。
  • 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
    より強力な利尿作用(尿の出をよくする働き)を求めるとき。
  • 猪苓湯(ちょれいとう)
    排尿時にしみる、痛む、血尿が出るなど膀胱炎の症状もあるとき。
  • 六味丸(ろくみがん)
    胃腸が弱い人。八味丸よりも胃腸への刺激が少ない。

いずれも前立腺や膀胱の機能を高め、排尿障害を改善する効果に優れている。  

前立腺肥大にいいとされるサプリメント(健康食品)

ノコギリヤシ


ノコギリヤシは、5αリダクターゼを抑制する働きをし、ジヒドロテストステロンが過剰に発生するのを防いでくれる。

しかし、妊婦さんや授乳中の方、避妊薬を服用したりホルモン治療をしている方、また抗血液凝固薬等を服用している方は注意。

前立腺の健康のためにノコギリヤシやセレン、リコピンを使うのは有意義であるという研究も。

前立腺肥大症に対する3機能成分(ノコギリヤシ・リコピン・セレン)の併用アプローチを提案した研究が、イタリアのグループから報告されていた。(CurrMedChem.2013Jan31.)

前立腺肥大症は、加齢によって生じる良性の疾患だが、下部尿路症状(頻尿や残尿感など)によってQOLを低下させるため、高齢人口の増大に伴って、対策が求められる。

前立腺肥大症(BPH)の病態には、ジヒドロテストステロンによる抑制系のホメオスターシスが変化し、細胞増殖とアポトーシスのバランスが崩れることが関与。

ノコギリヤシの作用機序として、5α-reductase阻害作用(テストステロンからジヒドロテストステロンへの転換を阻害)、エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用、抗炎症作用等が報告されている。

また、前立腺の健康維持には、必須ミネラルのセレンも重要。
セレンは、抗酸化作用を示し、前立腺がんリスク低減目的で臨床試験に用いられている。

さらに、前立腺がんリスク低減効果が認められている食品成分として、リコピンがある。
トマトに含まれる赤色色素のリコピンは、抗酸化作用や抗がん作用を有しており、疫学研究では、肺がんや前立腺がん、大腸がん、脳卒中のリスク低減効果が示されている。

セレンやリコピンは、抗酸化作用・抗炎症作用を介して、前立腺肥大症に対しても、ノコギリヤシとシナジー効果があると推定される。

具体的には、アポトーシス誘導因子であるBaxやcaspase-9遺伝子の発現を促進し、アポトーシス抑制因子であるBcl-2遺伝子発現を抑制、また、過形成を呈した前立腺でのEDFやVEGF発現の抑制といった機序が考えられている。

論文著者らは、ノコギリヤシ・セレン・リコピンの併用が前立腺肥大症に対するシナジーを得るために有用であると考察している。

イソフラボン(特にアグリコン型イソフラボン)

イソフラボンの前立腺に対する3つのブロック作用

  1. まず、酵素に働きかけて悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に変化す
    るのをブロック。(5α-リダクターゼの働きを抑える)
  2. 次に、アグリコン型イソフラボンの代謝物(エクオール)が、できてしまった悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が前立腺へ作用するのをブロック
  3. さらには、アグリコン型イソフラボンは、ホルモンの受け皿である受容体(レセプター)そのものの発現を弱めて、悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の作用を弱める。

イソフラボンには2種類ある!

大豆胚芽に多く含まれているイソフラボン。
そのイソフラボンには、「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類がある。
「グリコシド型」は「低吸収型」、「アグリコン型」は「高吸収型」ともいわれて
いる。

納豆や豆腐、豆乳などの大豆食品のほとんどが「グリコシド型」。
イソフラボンのまわりに糖がくっついていて、腸内細菌で糖が分解されないと
体内に吸収されない。
腸内細菌の働きには個人差があるため、イソフラボンを吸収“しやすい人”と
“しにくい人”の差がある。
一般的に、グリコシド型イソフラボンの吸収率は摂取量の約2割ほどで、吸収ま
でにかかる時間は6~8時間と言われている。

一方「アグリコン型」は、糖がすでにはずされている状態だから、腸内細菌の
働きに関係なく胃や小腸ですみやかに効率よく吸収される。

吸収率は、グリコシド型イソフラボンの3倍以上。
そして、約2時間ほどで吸収のピークを迎える。

⇒さらにイソフラボンの詳細についてはこちら(の予定)

三七人参(田七人参)(20頭根のもの)の体験談

◆三七人参10粒(朝5粒と夜5粒)を飲み、食事を洋食から和食中心に。
PSA値14.8→2.2

◆三七人参夜5粒、冬虫夏草4カプセル(朝2Pと夜2P)
2ヶ月後 PSA値54.2→6.231
残尿数値も正常
3ヶ月後、尿の出にくさがなくなる。

以上。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする