日本のドラッグストアのこれからの必勝法:   米国に学ぶ4E戦略

はじめに。
先日、ウェルネスフェスタ2015という展示会で、ドラッグストア研究会の松村清先生の経営セミナーを聴く機会がありました。

松村清先生は、半分アメリカ、半分日本で生活をされていて、いつもアメリカ流通業界、特にドラッグストア業界の最先端の情報をお話しくださいます。
思い起こせば、20年前に初めて松村先生のお話を聴いて非常に感銘を受けて以来、何度かセミナーを受講させていただき、アメリカの研修旅行にも行かせていただきました。

今の『エクスマ』の藤村正宏先生のお話しを初めて聞いたのも、このドラッグストア研究会でした。
(もちろんその頃は、SNSの「エ」の字もなかったですけどね。)

わたくしにとって、とても思い入れのある研究会なのです。
(なによりも松村先生が僕のことを覚えてくださってたのが感激です!)

前置きが長くなりましたが、以下、ざっくりまとめてみました。

日本の小売業・ドラッグストアの現状

 鈍化する日本のドラッグストアの成長性

売上の伸び率は、2001年から徐々に鈍化。
店舗数は、増え続けている。(2013年は102.3%)

ネットの脅威無題2

日本でのEC(ネットショッピング)化率は、3.67%。(意外に少ないなー)
医薬品関係は、4.56%と平均値より大きい。(医薬品化粧品はネットにむいてるのですね。これは経験的に納得。)
どちらも、前年より増えている。
もちろん、ECの市場規模も増えてきている。

医療費の高沸

無題3

40兆円目前!
65歳以上となると、国民1人あたり70万円も使ってるの?!

医療費を抑えるために、国家として「セルフメディケーション」を推進。
⇒ドラッグストアの売上は鈍化しているが、今後、担うべき役割は大きい!『街のヘルスセンター』へ!

米国の状況

無題4

ECのシェアは6.4%と日本よりもはるかに大きい。
小売り全体の伸び率よりもECの伸び率の方が大きい。

無題5

ウォルマートの伸び率が鈍化してきた。
アマゾン絶好調。3年前から、10位→8位→5位と躍進。来年は3位か?
ちなみに、アマゾンの販管費は、11%。ウォルマートは19%。店舗を持っていないので販管費を低く抑えられる。

好調な業態
・便利性を武器に小商圏で
 コンビニ、ダラーストア(米国の100円均一)
 ドラッグストアもまだ比較的好調。
・強い特徴を持った企業
 コストコ、ホームデポ、オーガニックスーパー、グルメスーパー、低価格スーパー

不振な業態(「低価格」&「総合品揃え」の2大武器の威力激減)
 ディスカウントストア、カテゴリーキラー、GMS業態

ネットショップよりリアル店舗を選ぶ理由(アンケートより)

  1. お客様気分にしてくれる(接客)
  2. わくわく感がある。買い物をエンジョイできる。
  3. ネットを越える便利性(コンビニエンスストアの商材はわざわざネットで買わない)
  4. 自分の問題を解決してくれる。

ドラッグストアの戦略が変わってきた!

4P戦略から4E戦略へ。

【4P戦略】      → 【4E戦略】

Place(店舗立地)    →Everywhere・Everytime(どこでも・いつでも)

Promotion(広告・販促)→Engagement(約束・結びつき)

Product(品揃え)   →Experience(体験)

Price(価格)     →Exchange(値打ち)

「4E戦略」と「10のアクション」

Everyーwhere・Every-time(どこでも・いつでも)

 立地商圏、店舗サイズなどの脱標準化。
 5分商圏の所へ積極的に出店。100坪のウォルマートも出てきた。
 大きさなどにこだわらず、とにかく便利な立地を探し、出店するようになってきた。
 24時間、365日営業。
 待つのではなく、こちらから飛び込んでいく出店。

 1.マインドシェアの構築(脳の中にすり込まれた度合い)と習慣脳の育成

 いかに「ファーストチョイス」されるか。
 a)ロシアの生理学者パブロフの「条件反射の行動」の活用
  集中出店、チラシ、ネットによるコミュニケーション、
  ショッピングバッグ(トレーダージョー、スターバックスが有名)
  カレンダー、マグネット(冷蔵庫に貼る)、調剤客の確保

 b)ハイフリークエントショッパー(週に複数回来店客)の創造
  【来店頻度の増加策】用事がなくても来店してもらう工夫
  来店目的を多様化
  (コンビニフード・イートイン・イオン水・ビデオレンタル・DPE・
   ヘアセット&マニキュア・雑誌・インストアクリニック・調剤
   予防接種(スーパー内で!)・ローンの取扱い・宅急便・コピー・
   プロパンガス販売・健康相談会・美容相談会・私書箱などなど)

2.アマゾンを越えた便利性(オムニチャネル形態)

 a) リアル店舗(田舎から街中へ)
  店舗は小商圏店舗展開、365日長時間営業、クイックショッピング機能
  (スキャン&ゴー、15分調剤、3人並ぶと新しいレジオープン
    セルフレジ、ドライブスルー、関連陳列、プロジェクト陳列)
  クイックショッピング機能(10分→7.5分のDr.Str滞在時間)
   セルフで買い物しやすい。
   カテゴリーが色別で分かりやすい。
         さらに、サブカテゴリーでニーズ別に陳列&POP表示。
   買い物カゴを多箇所に配置(980円/人⇒1800円/人)。
   「ヘルスガイド」という人(コンシェルジュ)を立たせて商品を案内する。

 b)ネット
  ・20万アイテムの取扱い
  ・ウェブピックアップ
        (注文をネットでし、指定した店舗で1時間以内にピックアップ)、
   配達、店内でのネット商品の支払い・注文・受け取り・返品可
   「site to store」、ウォルマートトゥーゴー、ウェブ⇒ドライブスルー
  ・アマゾンは、「引き取り場所」に苦慮している!

Engagement(約束)
3.おもてなしで「心の絆づくり」(接客・カウンセリング)

 顔の見える商売。
 「価格は一日、品揃えは三日で真似できるが、サービスは一生真似できない。」

  a)「S」=スマイル
   「G」=あいさつ
   「N」=顧客の名前
   「A」=顧客を幸せにするアクション

  b)「Yes,I can」サービス
    48時間以内のお取り寄せ強化。
    お客さまの声で揃えました!(小売業とは買物代行業である!)
    コミュニティの場の提供。

4.「なら屋」作り

 「ヘルスケアのなら屋」→インストアクリニック、調剤、OTC、予防接種
  ヘルスチェック、ニュートリション、介護、疾病管理機能を提供及び病院と提携

5.ロイヤルカスタマープログラム

  a)特典
   メンバーと非メンバーの大きな差。
   ポイントカード(キーホルダー型で携帯しやすく)

  b)新規会員獲得
   シニア(1人あたりの使えるお金が多い。虫眼鏡を用意)、男性客、
          外国人、LGBT(?)
   健食1.2兆円。7~8割がダイレクトマーケティング(ドラッグストア)

Experience(体験)
6.「物売り」から「事売り」へ⇒「Well Experience」

   「薬」⇒「ウェルネス」
   「化粧品」⇒「ベストルックス」
   「食材」⇒「食事」

7.わくわく感のある雰囲気⇒「販売は祭り・陳列は芸術」

 a)五感訴求
   「できたて」「小分け売り」は、リアル店舗のみができるサービス
  b)キッズに魅力のある店舗
   子どもを生涯のお客にする。
    FBI(???インフルエンス、母親)???

Exchange(値打ち)
8.価値価格

  a)低価格のみを求める顧客は2割、価値を求める顧客は8割。
    総合価値 =
 「商品価値」+「便利性価値」+「サービス価値」+「雰囲気価値」+「価格価値」
    
           10~15%ある価格許容性

9.WoW!価格(ディスカウント)

  a)アフォーダブルエッセンシャルコーナー
  b)「Rich Enjoy Discount,Poor Need Discount」
    金持ちはディスカウントを楽しみ、貧乏人はディスカウントを必要とする

10.価値販促

  a)ミックス&マッチ販促・・・まとめ売り、バンドル販売(ネットにはない)
  b)2個目50%引き販促
  c)ペアリング販促
   d)社会貢献販促・・・ピンクリボンキャンペーン、買い物をして社会貢献(評判がいい!)

                                        以上です。

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